物件タイプと家賃相場
2019年ワイキキ全体で694件の賃貸契約がありました。内訳は以下の通りです。
■平均の家賃は$2,088
■スクエアフィートsqft単価は$3.58 (日本の坪単価)
■募集開始から契約まで平均で34日
ここから分かるのはワイキキで賃貸物件をレンタルされる方は高給の単身者またはカップルで家賃を協力して生活しているようです。平均家賃が$2,000を超えるのはさすがワイキキです。 もうひとつ注目するべきは募集開始から契約までのスピードです。ハワイの法律ではテナントからの退去申し出は28日前までにする必要があります。マネジメント会社はテナントから退去の申し出があるとすぐに次の入居者を募集初めますので空室期間はわずか6日間です。賃貸物件を探す場合はまさに取り合いです。マーケットに募集が出ると次の週末に内覧会が開かれます。物件に興味があるかたが沢山やってきて、慣れている人はその場でセキュリティーデポジットを払って物件を抑えてしまいます。
ちなみに2019年の最高値はフォスタータワーの2ベッドオーシャンビューで$6,000/月は13日で成約でした。
0ベッドルーム スタジオタイプ (1K)
さて現実にもどりまして、0ベッドルーム スタジオタイプ (1K)に絞ってみると
2019年ワイキキ全体で169件の賃貸契約がありました。内訳は以下の通りです。
■平均の家賃は$1,507
■スクエアフィートsqft単価は$4.53 (日本の坪単価)
■募集開始から契約まで平均で32日
1ベッドルーム(1LDK)
■平均の家賃は$1,960
■スクエアフィートsqft単価は$3.48 (日本の坪単価)
■募集開始から契約まで平均で32日
2ベッドルーム(2LDK)
2019年ワイキキ全体で185件の賃貸契約がありました。内訳は以下の通りです。
■平均の家賃は$2,764
■スクエアフィートsqft単価は$2.94 (日本の坪単価)
■募集開始から契約まで平均で37日
大家さんが用意する3つのアイテム
島の外から引っ越してくる方の多いハワイ不動産は合理的に出来ています。引っ越しの際に苦戦する大型家電「冷蔵庫」「洗濯機」「キッチンストーブ」これらは物件に付いてきます。次に引っ越しする先も同様に付いているのでお住まいを賃貸している限りこの3つのアイテムを購入することはありません。コンディションは様々で入退去の際に注意してチェックされるのもこの3つのアイテムです。汚れていたり、故障している場合には清掃・修理してから入退去します。 ※洗濯機置き場がない物件には洗濯機は付きません。コンドミニアム内にあるランドリールームを利用します。
賃貸スタート時の初期費用
セキュリティーデポジット
ハワイ州の法律(Landlord Tenant Code)では入居時にオーナーサイドがテナントに求めることができるセキュリティーデポジットは家賃の1ヶ月が上限と定められています。特別な理由での追加デポジットは禁止されています。前家賃の支払いや要求も禁止されています。クレジットスコアが低いまたは無いかたで前家賃を条件に賃貸契約を求めるテナントさんがいらっしゃいますが受け取れない法律です。
引っ越し費用
大型家電は物件に付いているので個人で引っ越しされる方も多いですが、お仕事されている方は引越し業者さんに依頼されるのがオススメです。費用は1ベッドルームで$200前後です。
日本式の引越し業者さん「アロハベンリー」の料金表はこちら
大型のものといえばベッドです。クイーンサイズまでなら大型バンをレンタルして運び出すことが出来ますが、エレベーターの予約や梱包など素人には色々大変なのでプロへご依頼ください。
物件探しサポート
島外からお引越しの場合には土地勘が無かったり、移動手段が無かったりで物件探しも大変。物件探しサポートは賃貸物件 – 情報収集のお手伝いから内覧当日のドライバー兼、英語通訳をお願いできてとても便利です。不動産以外にも学校やお買いものに関する地域の情報をもとに確実に物件探しをされたい方向けの業者さんです。
家賃を高くなるポイント
家具付きと家具なし
ワイキキの賃貸物件は島外からお引越しされる方の比率が高いです。そんな方にとって家具付き賃貸物件は魅力的で、家賃相場も$500ほど家具なしと比べて高くなります。しかし家具の修理や交換などが将来的に必要になるので必要最低限かつ小物は避けておくのがポイントです。
ツインサイズベッド2台、ソファーベッド、テレビ、テレビ台、ダイニングテーブルセットを準備すれば十分に家具付き物件と言えます。
電気代込み、インターネット代込み、ケーブルテレビ込み
コンドミニアムによっては管理費に電気代やケーブルテレビ代が含まれる場合があります。その場合にはそれらの料金は家賃に込みとして宣伝できます。家賃相場は$200ほど高く設定することができます。 インターネットも必需品となりました。オーナー名義で契約すると$50/月ほどで契約できます。同じ家賃の他物件と比べて魅力的になるように付けるのは効果的ですが、これにより家賃が高くなるならオススメしません。外出の多い単身の方はポケットWifiや携帯電話のホットスポットを利用して、お部屋内でのハイスピードインターネットは必ずしも必要ではないからです。
洗濯機・パーキング付き
ワイキキは1970年代のコンドミニアムがたくさん存在します。狭い土地に建てられたコンドミニアムではお部屋の居住スペースを広くするために洗濯機置き場が無い物件が少なくありません。コンドミニアム内に共用のランドリーがあるのでお洗濯はできますが、忙しい女性は特にお部屋内に洗濯機・乾燥機が必要です。ワイキキは土地・スペースにものすごいバリューがあります。ワイキキに住みながら車を所有することは、とてもステータスなことで駐車場付きの賃貸物件はテナントの客層もぐっと良くなります。
所得水準に合わせた家賃設定がされている
付帯設備を付けて家賃を高く設定しても需要が少ないプライスレンジに家賃設定すると空室リスクにつながり危険です。給与所得に合わせた家賃相場があり、例えばワイキキに務める単身者であれば、手取りの給与は$3,500前後でありその中から$2,000以上の家賃は荷が重いですのでスタジオタイプの限界家賃相場は$2,000と言えます。豪華な設備でオーシャンビューでも$2,500/月だと意外と苦戦します。夫婦、またはカップルで共働きの世帯収入手取りは$7,000前後です。彼らにとっては$2,000~3,000のワンベッドルームも選択肢に入ります。一時的でもワイキキでオーシャンビューのお部屋で暮らすのはハワイに住む人ならだれでも夢見る生活です。しかし家族が増えると1ベッドルームは手狭になり2ベッドルームに引っ越します。広さが優先されワイキキ以外のエリアへ視野を広げます。
日系企業に限らず、会社都合でワイキキに暮らす方への家賃手当の相場は$1,500/月です。そこでオススメは$1,500/月の家賃設定が出来るスタジオタイプの物件、またはワンベッドルームなら洗濯機・パーキングが付いているが長期賃貸の投資には向いていると考えています。
毎年値上がる家賃
ハワイ全体において、賃貸の家賃は毎年、または数年ごとに値上げされます。アメリカ全体がインフレーションに向かっていてひとりひとりのお給料も少しずつですが上がっていきます。固定資産税や管理費も毎年少しずつ値上がるので、テナントもオーナーも少しずつ入ってくるお金も出ていくお金も値上がりしていくのが国のプランのようです。これは不動産投資がインフレヘッジに利用される理由の一つで、目減りしていく現金に対して、インカムゲインもキャピタルゲインも時間とともに値上がりするのがアメリカ不動産と言えます。
まとめ
ハワイで不動産免許を取得してから約1年は賃貸物件の管理とオーナー口座の金庫番を業務としていました。テナント募集の経験から分かったのは、人気の賃貸物件は常に複数のテナント候補者が新規物件のチェックをしています。そこへ相場より10%家賃が安い物件を出すと即日に複数のお問い合わせをいただきます。相場と同じ、または高めに設定して1ヶ月の空室が発生した場合より年次の収支は10%家賃を下げたほうが高くなります。毎年の収支も安定してストレスなく賃貸経営をお任せいただけます。
賃貸の人気物件をご紹介しております。ハワイに渡航の際には
参考:
Hawaii State Landlord Tenant Handbook Chapter 521
https://cca.hawaii.gov/hfic/files/2013/03/landlord-tenant-handbook.pdf