ハワイ不動産のご売却の手続きや費用に関してお問い合わせをいただきます。オーナー様の思い出が詰まったハワイ不動産ですので次のオーナー様にも気持ちよく大切に引き継いでいただけるように迅速丁寧にご売却のお手伝いをさせていただいてます。
ご売却の準備から買い手が見つかってからの取引に掛かる費用と登記後の確定申告に関するところまでご売却費用として必要な項目をご紹介します。売却費用の一部は経費として認められますので領収書などは保管ください。

売却費用10項目の全体像を確認
ハワイ不動産を売却するのに必要な費用はおおむね10項目です。一部は必要経費として売買代金より差し引くことができます。その他にかかる費用はケースバイケースですが余計な費用がかからないように注意してご売却のお手伝いをさせていただきます。
- 販売前のお部屋修繕
- 不動産譲渡税
- コンドミニアム情報開示書
- シロアリ検査費用
- 登記書類への公証費用
- 引き渡し前のハウスクリーニング
- 不動産業者への媒介報酬・仲介手数料
- 納税者番号(ITIN)取得費用
- 非居住者源泉税還付金の申請費用
- 確定申告費用

全てが必要でないですが全体像が把握できるように考えられる項目は全てピックアップしました。
販売開始までの費用
長い間、別荘として過ごしたお部屋には、忙しくて修理できなかった所が数カ所あるはずです。何も手を入れず、お金も掛けずに現状のまま引き取って欲しいお気持ちは分かりますが、ご売却される不動産はこれから商品となり市場に出ます。買い手の方は真剣にお部屋のコンディションをご覧になりますし、取引中には家屋調査士(ホームインインスペクター)がお部屋の不具合を徹底的に調べます。 早く・高くご売却いただくためにもお部屋の手入れは大切な準備です。
- 切れている電球を交換
- バルコニードアはスムーズに閉まることを確認
- バルコニードアの鍵を確認
- ブラインドやカーテンはスムーズに開閉できるか
- バスルームのシャワーや蛇口に水漏れがないか
- バスルームの排水溝から匂いがないか
- キッチンシンクの下は水漏れが発生していないか
- 洗濯機の洗濯槽より匂いはないか
- エアコンのフィルターは交換されているか
- カーペットやカーテンからペット臭はないか
- オーブンの中は清掃されているか
水回りは気にする買主が多い
オープンハウスや内覧での来訪者の印象を良くするには、水回りをしっかりと掃除して、綺麗にしておくことがポイントです。台所とその換気扇、風呂場、トイレ、洗面台などが汚れていると、いくら部屋が綺麗に片付いていても、家全体の雰囲気が暗く、印象の悪いものになってしまいます。あまりにも汚れがひどい場合にはハウスクリーニングなどの専門業者への依頼も検討ください。
バルコニードアの故障は致命的になるケースも
長く生活していると慣れているバルコニードアの開け閉めも、内覧で訪れた買主には開けづらかったり、鍵が閉まらなかったりする場合があります。バルコニードアの歪みは建物全体の歪みであると判断されたり、鍵がきちんと閉まらないとセキュリティーの問題で選んでもらえないです。
リノベーションにお金を掛けすぎは逆効果
売出し前にリノベーションしたので、その分高く売りたいとご相談いただくケースがあります。しかしオーナー様のお気持ちとは裏腹に、早く売れても高く売れるかどうかは分かりません。お部屋の床材やバスルームなどは好みが分かれるところですので、最低限は清潔になっている必要はありますが、リノベーションはせずにリノベーション代分を値引きするつもりでマーケットの反応を見てみるのも良い結果につながります。

売買のお取引に関係する費用
売買契約書には取引を公正明大かつ迅速に行うために、売り手・買い手それぞれの役割に関しても明記されいます。取引を行う上で売り手様にご負担いただく費用はエスクローより支払われ、売却代金より差し引かれてから指定の銀行口座へ振り込まれますので、なにかお支払いやご送金いただく作業はありません。取引中はエスクローが計算書(ステートメント)を作成しますので日本語訳を付けてお届けいたします。
不動産譲渡税
ハワイ州の不動産譲渡税です。 税率は状況により細かく別れておりますが
買い手は別荘目的である場合の$600,000~$1,000,000の物件には $100あたり25セントの譲渡税がかかります。 例)$800,000 × 0.0025 = $2,000
ハウスクリーニング
売出し前にお掃除をしますが、販売中に沢山の人が内覧に訪れるので意外と汚れてしまいます。売買契約書にはハウスクリーニングに関する項目があり、登記・引き渡し前にプロフェッショナルクリーニングと呼ばれる専門家の掃除屋さんを雇います。クリーニング費用はワンベッドルームで約$350 ツーベッドルームで 約$450 です。
シロアリ検査
温暖な気候であるハワイでは木造住宅ではシロアリは珍しくありません。売買契約書にもL-2シロアリ検査があり検査費用は売り手が負担します。買い手はシロアリ検査の結果次第でキャンセルできるので、シロアリが確認された場合には売り手の費用負担で駆除を行います。
コンドミニアムの場合には木材を使っているのはキッチンやバスルームのキャビネットのみですのでシロアリが見つかるのは稀です。 検査費用は $300~500 です。
仲介不動産会社への仲介手数料
ハワイ不動産の仲介手数料は売買価格の6%です。 ハワイ不動産を中長期保有された場合には売却益が発生するので仲介手数料は売り手が負担します。その他にはGET(消費税)が手数料金額の4.712%発生します。
例)売買価格$1,000,000 仲介手数料 $60,000 / GET $282.72 となります。
コンドドキュメント
コンドミニアムの管理会社が作成するコンドミニアム全体の情報開示書です。売り手はこれを管理会社から購入して買い手に情報提供する必要があります。コンドドキュメントは約$350でご購入いただけますです。
公証役場での公証費用
登記書類へ直筆のご署名はハワイのエスクローオフィスにて行われます。エスクローオフィスで署名される場合には費用はかかりません。ハワイへ渡航のご予定が無い場合には書類をFEDEX郵送して、東京・大阪の公証役場で公証人の前で直筆サインしていただく必要があります。公証は一部約15,000円です。

引き渡し後の費用
個人・法人共に別荘をご売却された場合(賃貸経営の投資物件は除く)の税務に関する費用は約3,500を予定されてください。取引中にCPA米国公認会計士に依頼された場合には費用は売却費用として認められます。 お手伝いが必要な場合にはCPA米国公認会計士をご紹介させていただきます。サービスの内容や費用はご依頼時に直接ご確認ください。
納税者番号取得費用
ITINまたはEINという番号をお持ちでしょうか?物件を賃貸に出していない場合には所得税を支払う機会がありませんので、納税者番号をお持ちでないですが、売却益には所得税が発生しますのでご売却時には納税者番号が必要になります。取得手続きには米国公認会計士CPAによる申請が必要で費用は約$300~$500です。こちらの費用は売却費用に含まれませんが経費に認められます。
非居住者源泉税還付費用
日本にお住まいのオーナー様がハワイ不動産をご売却される場合には米国連邦・ハワイ州ともに源泉税を納めます。米国公認会計士CPAによる申請で所得税を引かれた残りの金額は還付されます。 この源泉税還付申請に必要な費用は約$2,500です。こちらの費用は売却費用に含まれませんが経費に認められます。
確定申告費用
売却損や源泉税により所得税は既に納税されていても、不動産をご売却された年の確定申告は翌年4月15日までに必要です。 日本の確定申告は2月中旬から3月中旬までですので、それまでに米国分も確定申告が済むように早めにお手続きください。 米国公認会計士の確定申告費用は約$400です。こちらの費用は売却費用に含まれませんが経費に認められます。こちらの金額は源泉税還付申請が済んで簡易申告制度が適用になる場合です。

まとめ – 目標の手取り額からの逆算が吉
ハワイ不動産のご売却に向けた計画として、まづは市場の調査と物件の査定が行われます。査定により売買価格の目安が分かれば、売買のお取引に関係する費用は売買価格の約1%と見積もりを立てる事ができます。さらに不動産業者への仲介手数料を差し引くことでおおよその手取り額も計算ができます。 ローン返済や買い替えなど手取り額に目標が設定される場合には売却費用をなるべく細かく出して、手残り額の見通しを立てることで余計な出費も防げます。

参考リンク:
ハワイ州税務局 不動産譲渡税の案内
05-07192021