所有権と借地権どっちがお得?注意点すべき点は?

ハワイ不動産の物件リストを見ていると物件価格の右隣に(FS)もしくは(LH)と必ず記入されています。これは物件の土地所有権を示すもので(FS)はFee Simple 所有権物件、(LH) は Lease Hold 借地権物件です。 所有権物件は物件購入価格に所有権料が含まれるため購入価格は高くなりますが、毎月の借地料を支払う必要はありません。借地権物件は物件購入価格は安くなりますが、毎月の借地料を支払う必要があるうえに借地期限を迎えると借地権が消滅するリスクがあります。しかしながら借地権物件が全く取引されていない事はなく、ハワイ不動産を所有する目的や期間によって決めていただくのが一番ですのでこの記事では「所有権」と「借地権」の違いやメリット・デメリット、注意点をご案内していきます。

借地権の安さを同じコンドミニアム内で比較

1980年代までは借地権付き物件として分譲されるコンドミニアムは珍しくありませんでした。その後に借地権者より借地権の売却がコンドミニアムオーナーへ提案されます。借地権の購入はそれぞれのコンドミニアムオーナーが判断できたため、コンドミニアム建物のなかでも所有権と借地権が混在することとなりました。その代表的なコンドミニアムは

ワイキキバニアン

ワイキキの東側でマリオットホテルの裏手でワイキキビーチにも徒歩5分の好立地。 1979年築で総戸数877戸の大型物件。高層階からはダイヤモンドヘッドやワイキキビーチが見えて眺望が良い。

2019年の取引実績
所有権物件:14件
価格帯:$530,000 ~ $740,000 / 中間価格 $575,000
SQFT 単価:$1,094

借地権物件:6件
価格帯:$300,000 ~ $378,000 / 中間価格 $321,000
SQFT 単価:$606

借地料:$168/月 借地期限: 2035年 借地権者:Liliuokalani Trust
借地権の購入可能:$191,500

ビラ オン イートンスクエア

ワイキキの西側で1階の商業スペースにはスーパーマーケットの「フードパントリー」が入る便利なエリア。ワイキキの中でも比較的静かでオーナー居住率も高い。セキュリティとアメニティが充実しているのも人気の理由。1974年築、総戸数425戸の大型コンドミニアム。

2019年の取引実績
所有権物件:18件
価格帯:$315,000 ~ $550,000 / 中間価格 $449,500
SQFT 単価:$678

借地権物件:5件
価格帯:$210,000 ~ $300,000 / 中間価格 $225,000
SQFT 単価:$381

借地料:$291 ~ $332/月 借地期限: 2049年 借地権者:Malulani Investment Ltd
借地権の購入可能:$400,000

情報参照元:ホノルル不動産協会MLS 11/08/2019

借地権物件を検討する際の注意点

「借地権物件は期限を迎えると権利を失う」というのをハワイ不動産に関する記事で見たことはありますか? もしあなたが物件の売却時期まで具体的に計画されているのなら借地権物件のほうが所有権物件より魅力的になる場合もあると思います。私のお客様でもご子息がハワイ大学へ通う4年間のみの住まいと計画を立てて「ビラ オン イートンスクエアー」をご購入されたお客様もいらっしゃいます。しかし一般的には所有権物件の方が良いと言われるのは借地期限が迫りくる事にストレスを感じるためです。

借地期限はワイキキバニアンでは2035年、ビラ オン イートンスクエアーは2049年です。契約内容によりますが一般的な理解は借地期限を迎えると借地利用者は土地を利用する権利を失い退去を迫られます。借地権者と借地利用者で協議して借地権の買い上げまたは期限の延長というのが人道的な解決策と言えるのではないでしょうか?

もうひとつの注意点は借地料は値上ります。借地権の契約内容には借地料の見直し項目が必ずあり、10年または15年ごとに物価のインフレにあわせて借地料が見直されます。家賃と違って借地権者が一方的に料金を決定するものではありませんが注意が必要です。

ハワイ不動産は流動性があると言われていますが借地権物件に絞ってみると手離れが悪くなる場合があることが一番の注意点と言えます。 売りづらくなる原因の一つにローンが付きにくいことが挙げられます。ローン期間は借地期限内となる上に担保価値にあわせて頭金を多く払う場合もありますのでローンを利用して借地権物件を購入する方は限られます。そこでキャッシュバイヤーに絞って売却計画を練りますがキャッシュバイヤーの殆どは投資家です。借地権物件を購入して得られる利益以上での購入はありえませんし、空室リスクを考えると残りの借地期限の1/3できれば半分の年数で投資金額を回収できてプラスに転じる場合を除き購入を見送るでしょう。ざっくりですが年間$20,000稼ぐ物件で借地期限が残り20年なら約$200,000 借地期限が10年なら$100,000 というのが収益性からみた物件価格です。

 

借地期限のこり20年を迎えた「ディスカバリーベイ」

ワイキキの西側に「ディスカバリーベイ」というコンドミニアムがあります。1997年築で総戸数665戸の大型コンドミニアムです。一部のユニットにおいてはフィーを購入して所有権物件に変換されたユニットもありますが、いまなお借地権の物件が多く残り、2019年には借地期限のこり20年を迎えて注目されているコンドミニアムです。

下のグラフで注目すべきは2005年(借地期限のこり34年)まではオアフ島コンドミニアムの平均価格と強い相関関係がありましたが、この時から取引金額が下がり始めました。

ディスカバリーベイLH価格推移のグラフ

■情報参照元:ホノルル不動産協会MLSサーチ

 

リーマン・ショックがあった2008年には全世界的に不動産価格が値下がりしますがオアフ島のコンドミニアム平均価格は2年で再び値上がりを始めます。しかしディスカバリーベイに至っては更に3年間は値下がった後の2013年2014年のみ反発して値上がったのち緩やかに値下がりしています。そして借地期限がのこり20年となる2019年以降の動きに注目が集まります。

39階にある683SQFT(63平米)の1LDKが $274,000 で成約しました。【MLS#201916985】 同じ広さで30階のユニットが家具付きで$2,700 でレンタルできています。【MLS#201916920】 レンタルの条件によりますが管理費や税金などの諸経費を引いて年間の手取り家賃収入を$16,800 ($1,400×12ヶ月)とした場合ななんと、、投資金額回収するのに195ヶ月(約16年)必要です。 残りの45ヶ月を$1,400/月でレンタルした場合に手元に残るのは約$63,000です。 $274,000投資して$63,000の利益、20年、、利回り2.2%/年・・・
これはあくまでシュミレーションですので良い条件の物件がありましたらお知らせください。すぐに物件見学して報告差し上げます。

参考情報元:ホノルル不動産協会MLSサーチ

所有権と借地権ではどっちがお得?

次は別荘として借地権物件を検討される場合の注意点です。60歳で会社経営を引退された社長様がハワイへプチ移住を検討されています。予定では75歳になるまでは日本とハワイを行ったり来たりして残りの人生を楽しみたいとお考えです。いろいろ物件を見た結果、ビーチからも近い「ワイキキバニアン」に決めました。広さは533SQFT(約50平米)の1DKタイプのお部屋で所有権のユニットと借地権のユニットの両方で検討されてます。

所有権のユニットを購入した場合
物件購入金額:$600,000
管理費:$460×180ヶ月=$82,800
固定資産税:$143×180ヶ月=$25,740
その他維持費: $10,000
15年間の概算 $718,540

借地権ユニットを購入した場合
物件購入金額:$300,000
管理費:$460×180ヶ月=$82,800
固定資産税:$143×180ヶ月=$25,740
借地料:$168×180ヶ月=$30,240
その他維持費: $10,000
15年間の概算 $448,780

所有権ユニットは期限を気にすること無く相続または売却・現金化ができる事が大きなメリットですが2倍の購入資金が必要です。 もともと年の半分(約180)をハワイのホテルで過ごそうと考えていた社長様は15年間で計算してその費用が$540,000であった事に驚かれました。($200×180日×15年間)いろいろな角度から検討した結果、購入資金を抑えられてホテルより広くて荷物も置いておくことができる借地権ユニットが一番メリットがあるとなりました。

番外編1: 借地権物件を購入された社長様でしたが5年後に気が代わって所有権(フィー)が欲しくなりました。ちょうど良いタイミングでフィーオファーがありフィーを購入することができました。フィーのお値段は$300,000  15 年の合計金額は$748,780となりました。

番外編2: 所有権を購入された場合の社長様は5年後にご売却されました。売却金額は$650,000 5年間で支払った維持費はキャピタルゲインで相殺されて5年間ほぼ無償で別荘を利用した事になりました。

■上記はシュミレーションであり価格や経費は相場に基づいた架空の条件です。