コロナでどうなった?ハワイ不動産の価格推移を3つの要因から徹底深堀り

ハワイの不動産価格は過去数十年の間、多少の上がり下がりはありますが中長期の推移は堅調に上がり続けていると言えます。特に日本からのお客様が別荘として購入される「ワイキキ」「カハラ」「アラモアナ」そして最近では「カカアコ」エリアの不動産は物件数も限られているので希少価値が高く、築年数が経過したコンドミニアムでも価格が安定していると言えます。

ダイヤモンドヘッドよりワイキキの景色

不動産価格が決まる3つの要因

一般的要因1 自然的要因

ハワイ・オアフ島は1年中温暖で過ごしやすい気候であり自然豊かであることが世界中の人を魅了する一番の理由であります。青々と茂った山々や街路樹の太さを見るだけでも「台風」「地震」といった天災とはあまり縁のないことが分かります。ここ数年の変化として話題に出るのは「昔より暑くなった」「昔より雨が増えた」の2点です。2020年は11月になっても暑い日が続いて昨年より暑いのは明らかです。風通しの良くないコンドミニアムではエアコンの有無もチェックリストのひとつに加えた方が良さそうです。日本では考えられませんがハワイではエアコンなしの物件や建物の構造上でエアコンが設置不可というコンドミニアムも少なくありません。2019年4月には記録的な大雨がオアフ島の南側を襲い、アイナハイナの一部では浸水が大きな話題になりました。パリ・ハイウェイで地盤が崩れて約半年間通行止めになったのもこの頃です。

一般的要因2 社会的要因

社会的要因で不動産価格に大きな影響を与える人口は1980年より10年ごとに増加していて今後も増加の見通しです。ホノルル市においては移民の増加が見込まれ住宅不足が深刻化する可能性があります。現在でも家賃相場が高いとされるホノルル市内ですが今後はますます家賃が高くなることが予想されてホノルル市内に引っ越しができるのは、ある程度の収入がある世帯に限られます。

ハワイ州人口推移

年齢別人口デモグラフィックで見ても、約30年後に20代30代の人口が堅調なのは子供が育つより若年層の移民による人口増加であると予想されます。彼らは数年間は賃貸住宅を借りますので立地の良い賃貸住宅は安定した家賃収入が見込むことができます。

ハワイ州年齢別人口デモグラフィック

10年に一度の国勢調査。前回は2020年に行われました。 これによるとハワイ州では約45万5件の世帯のうち、持ち家世帯は57.7%で1世帯あたりの平均人数は3.02人 賃貸住宅は42.3%で1世帯あたりの平均人数は2.72人でした。ここから分かるのは賃貸住宅の場合は両親に子供ひとりの可能性が高く、この家族タイプが賃貸するのは1ベッドルームタイプか2ベットルームタイプのお部屋であり3ベッドルームタイプのお部屋は賃貸経営には向かないようです。

ハワイ州2010年持ち家比率

下記の情報元リンクをクリックすると統計データベースをご覧いただけます。:
State of Hawaii Research and Economic Analysis Division Department of Business , Economic Development
United States Census Bureau 2010 Census Hawaii Profile

一般的要因3 経済的要因

下記の表はハワイ州経済省がまとめた2022年までの経済予想です。観光業が主産業であるハワイ州では来当者数の増減が州の経済に直接影響してきます。不動産投資においてもホテルコンドミニアムの稼働率や資産価値に直接影響があり、不動産業に従事する移民の方がワイキキの長期賃貸物件にすみますのでこちらも影響ありです。小さくて少し見づらいですが、来島者数、泊数、消費金額の全てで前向きな予想であります。これは日本⇔ハワイ間の航空便の増便やアメリカ本土やオーストラリアからの観光客も顕著に伸びる見込みであることが要因です。

ハワイ州経済見通し

その他の産業の見通しも下記リンクよりご覧いただけます。ご興味ありましたらどうぞ。

情報元リンクをクリックすると統計データベースをご覧いただけます。:
Actual and Forecast of Key Economic Indicator for Hawaii

一般的要因4 行政的要因

オアフ島の西側から国際空港を経てアラモアナまでのモノレール計画が進行中です。新駅から徒歩圏のエリアは他と比べて利便性が格段に上がります。現在工事はダニエル・イノウエ国際空港付近まで進んでいますがアラモアナまではまだ数年必要です。

HART ホノルル市モノレール計画 詳細はこちら

大規模な都市開発ではカカアコのワードビレッジが挙げられます。このあたりは2015年までは倉庫街でしたがハワード・ヒューズ社が総合開発を行い、いまでは高級コンドミニアムをおしゃれなショップやレストランが取り巻く環境でアメリカでは珍しい徒歩で生活が完結できる住環境が実現できています。自前のセキュリティパトロールも好評で街を黄色の制服を着たスタッフが巡回して風紀を守っています。

ハワイ州の固定資産税はこれから上がる見込みです。消費税や法人税が上げにくいハワイ州では固定資産税は財源の大きな割合を占めます。他にはホテル税も値上げになると予想しています。

収益還元法

世界中の不動産投資家が常にウォッチしているハワイ不動産。不動産相場が上がり下がりしながらも顕著に値上がりを続けるのは、プロの投資家が押し目買いのチャンスを常に狙っているからとも言われています。私の体験ではワイキキでオープンハウスをしていると必ずと言っていいほど物件を見に来るおじいさんがいます。ハワイ出身のロバート・キヨサキ氏によって書かれた「金持ち父さん貧乏父さん」のように不動産による収益をいつも狙っているかたが多くいるのもハワイの特徴の一つです。収益還元法で相場を見た場合には利回り重視ということになります。利回りの相場は3.0%と言われます。3.5%なら優秀な方で日本の投資家様でも物件を見ずに数字で決める方も少なくありません。例えば還元利回りを3.0%で設定して年間の収益が$36,000、年間経費(管理費・マネジメント費・固定資産税・オーナー保険など)が$15,000 だったとすると物件の収益価格は$700,000 (約7,560万円)  となります。
(36,000 – 15,000)÷0.03 = $700,000

節税メリットによる値上がり

2019年時点の日本の税制では不動産による事業所得は給与所得と損益通算できます。給与所得が高い方が不動産事業を行い建物の減価償却費を損失計上して節税することができます。日本の税制では築47年を経過した鉄筋コンクリート造の建物分は9年で減価償却できるので、例えば 1ミリオンで建物比率9割の物件の場合、定額法で年間約1,000万円の損失を計上できます。
■($1,000,000×0.9)÷9 = $100,000 (約1,000万円)
節税に関しては個人により状況が異なりますので税理士さんにご相談いただいております。ハワイ不動産を購入される方の中には具体的に、築47年以上で1ミリオン以上の物件を探してきてくださいというご依頼もあります。築47年以上で収益性も資産価値の面からもオススメできる物件は限りがあるので該当するコンドミニアムは希少価値がまして相場も高くなる傾向にあります。

2021年1月より個人所得と海外不動産の事業所得との損益通算はできなくなりました。
法人事業所得との内部通算は引き続き可能です。

2020年は値下がった?1987~2020年の価格推移

ホノルル市不動産協会では1987年以降の不動産取引中間価格を 戸建て(Single Family Houmes) コンドミニアム(Condominium)の2つに分けて統計を出してくれています。
これ以外にもインターネットのおかげで様々な統計が手に入るのは我々若手の不動産取引士にとって大変ありがたい事です。

ハワイ不動産の価格推移グラフ
グラフから見る2020年の不動産価格

2020年のコロナショック時にハワイ不動産の価格はどのような影響を受けたかというと、戸建ては約5%、コンドミニアムは約10%の値下がりが見られました。しかし驚いたことに3ヶ月後には価格は戸建ては過去最高の値上がりを記録しました。 コロナショックでは不動産相場とは関係なくオーナー様が換金したいという理由から売り急ぎがあり価格が瞬間的に下がりましたが、押し目買いを待っていた世界中の投資家様が買い支えをしたのと、住宅ローンが歴史的な低金利で1ミリオン〜2ミリオンの戸建てを購入される方が目立ちました。 今回のコロナショックによりハワイ不動産の安定した価格と換金性の高さが証明される結果となりました。

この34年の間には4回の一時的な景気後退(Recession)がアメリカを襲いました。

  • 1990年湾岸戦争
  • 2001年ドットコムバブル崩壊
  • 2008年リーマンショック
  • 2020年 コロナショック

グラフからも分かるようにハワイ不動産の相場は一時的に若干の影響を受けますが、回復も早いのが特徴です。それどころかRecessionを契機に大幅に値上がりしていることが分かります。投資マネーの動きが鈍るときほどローリスク&ミドルリターンのハワイ不動産に投資が集まるのかもしれません。

アメリカ全土の価格推移と比較してみる

それではアメリカ全体の不動産相場はどうでしょうか? 連邦準備銀行から提供されている新築不動産取引中間価格のデータと比較してみます。

全米不動産価格とオアフ島コンドミニアム中間価格

このグラフから分かることは、ハワイ不動産は上がり続けているとよく言われますが、これはハワイに限ったことではなくアメリカ全体の不動産価格は上がり続けています。湾岸戦争もドットコムバブル崩壊も関係なし。当事者であるサブプライムローン問題からリーマンショックまでの2007年〜2009年は大きな影響が出ておりますがアメリカ不動産全体のパワーが感じられます。

ハワイ不動産に関しては1988年から1991年まで急上昇。これって日本のバブル景気の影響に見えます。おそらくこのとき日本から別荘や投資でハワイ不動産を購入すうることがブームになったと推測できます。 その後2001年までは投資マネーがドットコム系への投資にシフトしてドットコムバブル崩壊後再び「やっぱり安全なハワイ不動産だ」と再注目されてリーマン・ショックまで値段も急上昇ということだと分析できます。

情報元リンク:
Honolulu Board of Realtors Annual Residential Resale Data
Federal Reserve Bank Median Sales Price for New House Hold in United State

不動産相場と外的要因との関係

他にも一般的に外的要因とされる統計とオアフ島コンドミニアム中間価格のグラフを重ね合わせて見ました。

住宅ローン金利と不動産相場

アメリカ住宅金利とオアフ島コンドミニアム中間価格

ハワイにお住まいで住宅ローンを利用して不動産を購入される方には大変重要なローン金利。ここ数年は歴史的にも最低レベルで推移しているので数十年前に不動産を購入された方からは「昔は今の倍ぐらいだっとのよ」とよく言われます。しかし不動産相場は昔の倍以上であり、この先されに金利が下がることも考えづらいので、頭金分が貯まったら低金利の住宅ローンを利用して住まいとなる不動産を手に入れるのが長い目で見ても良い結果になりそうです。

ハワイ州人口と不動産相場

ハワイ州人口とオアフ島コンドミニアム中間価格

ハワイ州の人口は順調に増加しています。昨年は若干の減少がありましたが、これは若年層(20〜30代)がアメリカ本土に移り住むのが原因と言われています。アメリカ本土や日本、ヨーロッパの大学に進学して就職すると故郷のハワイには戻りづらくなる現状があります。ハワイ島やマウイ島などでは今後は人口が横ばいや高齢化にも注意が必要ですが、ホノルル市においては移民の増加や離島から移り住む人で増え続けており、便利なところに人が集中するのはハワイにおいても同様です。

国別の不動産購入数 オアフ島

エスクロー会社「ファーストアメリカンタイトル」より2019年どんな方がオアフ島の不動産を購入されているのか国籍別に集計された資料が届きました。こちらによるとアメリカ国籍のバイヤー様が圧倒的多くて、続いて日本国籍のバイヤー様、カナダ、韓国と続きますが、バーグラフで表されている以上に数の差があります。

国別の不動産購入数 オアフ島

ハワイ不動産は健全な州内需要によって支えていることが分かります。アメリカ国籍の内訳においても約9割はハワイ州の内需で残りの1割(約1000件)がアメリカ本土からの投資マネーや別荘利用のバイヤー様でした。 ここで気になるのが、私のお客様にもいらっしゃいますが、アメリカ本土でリタイアされた方が余生を穏やかな南国ハワイで過ごすためにお引越しされてくるのは内需にカウントされているのか不明です。分かっていることはハワイ不動産が値上がりするのは、限られた人気の物件に海外からの投資、アメリカ本土からの投資、そしてリタイア組の物件購入が集中してしまい、「徒歩圏で生活できるエリア」や「オーシャンビューの住宅エリア」は売り手市場であることは間違いないです。

最後に補足ですが、ハワイ不動産にはまだチャイナマネーが入ってきていません。中国人投資家がハワイ不動産を積極的に購入されるのは、まだ大分先の話となっておりますが、今のうちに仕込みをしておいて将来のキャピタルが期待できます。

セラーマーケット・バイヤーマーケットってどういう意味?

ハワイ不動産を検討されていてエージェントさんから「今はバイヤーマーケットなので買い時です?」なんて言われたことはないですか? 現在のマーケットがセラー・バイヤーのどちらに有利か計算して数値化する方法があるんです。それが Absorption Rateです。アブソープションとは「吸収」という意味で、売り物件を何ヶ月で吸収、つまり売却されるマーケットであるかという目安です。

Absorption Rate の計算式

Absorption Rate はふたつの計算を組み合わせて、売り出した物件が売れるために必要な月数の目安を計算します。

対象期間に売れた物件数 ÷ 対象期間(月)= ひと月あたりに売れる件数

現在の売出し中物件 ÷ ひと月あたりに売れる件数 = 売りに必要な月数

Absorption Rate が3ヶ月以下のマーケットはセラーマーケットで需要が供給を上回り、セラー(売り手)の交渉力が強くて値引き無く短期で売れるマーケットです。4~6ヶ月の間はバランスマーケットで需給バランスが取れています。7ヶ月以上はバイヤーマーケットで需要が供給を下回り、バイヤー(買い手)の交渉力が強くてセラーは価格交渉に応じざるを得ないマーケットです。 ここで注意しなければならない点がふたつあります。

  1. 該当のコンドミニアムのみで調査するのではなく、同じエリア内で「同じ間取り」「同じ広さ」「駐車場の有り無し」など複数の条件で絞っての調査が必要です。バイヤー(買い手)は大抵の場合は複数のコンドミニアムを比較検討されるので。
  2. セラーマーケットでも強気すぎると売れません。売り出し時にはマーケット内のライバル2件で、今月1件売れて1件になったとしても、また新規売出し物件が魅力的な価格と条件であればそちらが先に売れてしまい、売りたい物件が売れ残ることってしまうことも考えられます。

毎月 エリア別でマーケット情報出してます。

追記で項目を作成したのはちょうどコロナショックで外出が制限されている期間です。世界中の常識がガラリと変わって変わってしまって、このような時だからこそ、より細かいリサーチが必要と試行錯誤しておりました。不動産協会発表のマーケット情報はオアフ島全体を対象としたデータですが、本当にお届けしたいのは「ワイキキ」「アラモアナ」「カカアコ」に絞ったマーケット情報でありマニュアルではありますが、毎月定期的にデータをまとめることで数年後には頼れるコンパスになってくれると信じてコツコツデータを貯めています。

「ワイキキ」のマーケット情報をまとめると、長い間の品薄売り手市場から買手市場に変化してきていることがわかりました。これだけでも大きな収穫でした。

毎月のエリア別マーケット情報は生の情報としてブログで紹介させて頂いております。
データ抽出している内容は

  1. 月末の在庫数 Active Listing
  2. 月内の新規売出し件数 New Listing
  3. 月内の成約件数 SOLD Listing
  4. 在庫成約率 Absorption Rate
    20%以上でSeller’s Market 15%以下で Buyer’s Market
  5. 成約物件の平均スクエアフィート単価(坪単価のようなもの)
  6. 成約までにかかった日数 CDOM
  7. 成約物件の平均売出し価格
  8. 成約物件の平均お申し込み時価格
  9. 成約物件の平均成約価格

在庫数から売り先行か買いが先行しているか分かります。 Absorption Rate は市況を見るのに重要です。 平均価格は「ワイキキ」の特性である古い物件とラグジュアリーが混在しているので数字はあくまでご参考程度と考えてます。

情報提供の質を高める為に2020年末で無料ブログは終了しました。
今後は個別に情報提供させていただくか、メルマガで限られたお客様にディープな情報をお届けします。

情報元リンク:
Honolulu Board of Realtors Annual Residential Resale Data
Freddie Mac 30-year Fixed-Rate Mortgage
■Federal Reserve Bank – Resident Population in Hawaii
■Absorption Rate の説明(英文)
■DOM と CDOMの違い(英文)

まとめ

記事を最後までお読みいただき誠にありがとうございます。

どんな投資商品でも同じですがベストなタイミングというのは状況によって違い、あのときに買っておけば(売っておけば)良かったという結果論であることが多いです。ハワイ不動産に関していうとお客様も不動産取引士にも共通しているのは「欲しいときが買い時!」ということです。

でも実際に物件探しを始めてみると

  • これだ!という物件に巡り合わない
  • 周辺環境土地感が掴みづらい
  • 相場が分からないのでお得か分からない
  • 購入後も任せられるエージェントが見つからない

「物件探しに時間を掛けたく過ぎたくない」
「不動産購入で失敗したくない」 といったお悩みを解決します。

国内不動産で言う物件概要書

ご購入方法がわかる記事
横山雄大のハワイ不動産